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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第27章 インド編①シンガポール非公式会議

(6)

シンガポール、サンテック国際会議展示場


厳重な連邦軍の警戒のなか、続々と車列が入っていく


「高次技術国際会議」


世界中の研究所から集まる国際会議だが、参加者は研究所員のみにあらず、兵器の開発者たち、いくつかの大手企業の役員が集う


またの名を「強化人間会議」



決して表に公表されない非人道的な人体実験も「研究」という名目の元進められている

それらのプロジェクトの推移、また特殊兵器の発表、意見交換がおこなわれようとしていた


中年の教授ゲルトは上司の代わりに参加していたが、あまり気乗りはしていなかった


会場の廊下でトイレから出たとき知り合いのライナーズ教授と出会った



「ゲルト!久しぶりだね」

「ああ……、ライナーズ、いつぶりだろう

キミも博士の代役かい?」

「当たり前だ、でないとこんな吐き気のする会議なんて出るわけがない

ここに居てるのは戦争屋ばかりだよ!」


「声が大きいぞ、ライナーズ!」


ゲルトは旧友をたしなめた



「ゲルト、キミはまだドイツに居るんだろう?」


「ああ、ダブリンのコロニー落とし以降忙しくってね」


「ネオ・ジオンか…、彼らも必死だな

今さら国も持たない軍隊なんて珍しくもないが…


それより聞いてるか? ネオ・ジオンの再興の話しを?」



二人は廊下から目立たぬよう前室の待機スペースに移動した…



「もちろん噂は聞いているよ、ダイクンの息子だろう? ザビ家の次はダイクン家か……

戦争はまだまだ続きそうだな」


「そう、………そして我々の研究とやらも結局は戦争の道具の研究だよ、自分が情けないよ…」


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