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（11）


スティーブは事務作業をこなしながらソファーに腰掛けている妖艶な女性に声をかける


「アリッサさんところの会社じゃないのでしょうね？」


声をかけられた妙齢の美しい熟女アリッサは呆れたように答える



「とんでもありません！　私どもの会社は支援するときは徹底的にバックアップしますよ

あんな中途半端な支援をして、お客様を追い詰めるなんてやり方は絶対におこないません！」


「冗談ですよ、怒らないで」


「失礼いたしました、しかし別件の後方支援をしているのは事実です

おそらく昨日のデモンストレーションの戦闘をした部隊は我が社が支援していたようです


担当ではないので詳細まではわかりませんが…」


スーツ姿のアリッサはブランデーをひとくち喉をうるおした



「それはいいんですが、〈シュメッターリング〉をデモンストレーションに掛けないでしょうね？」


シュメッターリング


航空機というより蝶のような外見をした不思議なフリューゲル機

“トランキュリティ”軍のメイン出資メーカー〈アモルフィス〉社が開発した最新実験機

現在はグリメット家の私設軍隊として運用されている



「ご安心下さい〈シュメッターリング〉は私の担当部署での開発となりますので社内の他の部署にも配置されておりません」


「……いえ、聞いてみたたけです

もし、〈シュメッターリング〉がデモンストレーションに使われたら…

ドイツへの襲撃や、スエズ運河への襲撃、ビルマでの交戦もすべてそちらが関与したことになるのなら当家はいいカモフラージュになるのかな？と思ってしまいました」


「〈シュメッターリング〉は今後の展開次第ですわね……、いつか後継機が生まれればどこかの軍に運用することはなるかもしれませんが

まだその段階ではありません…」


「……信じますよ、アリッサさん」