浮遊空母~ぼくの冷たい翼~
第5章 ~試験飛行~
両手が不自由なシンシアの代わり、ナオトが不器用ながらにドバッと洗濯機に落とし機械を操作する
3台の洗濯を廻してるあいだ、ふたりは固い長イスに並んで座って待っていた
ナオトは周りを珍しそうにキョロキョロ見ていたが、シンシアは探し出したメモリーカードにイヤホンを挿して音楽を聴いていた
目を閉じて静かに音楽を聴いているタンクトップ姿のシンシアは本当に学生寮の生徒のようだ
視線を感じたシンシアが目を開けた
「お前も聴くか?」
「誰なんです?」
「昔の音楽だ…祖父が好きだったんだ…オランダのヴァレンシアという人だよ」
イヤホンの片方だけを貸してくれたので、耳に当たる部分をささっと指で払った
「…失礼なやつだな」
「…スイマセン、なんとなく…」
ナオトの片耳から流れこんできた音楽は、懐かしいような物悲しいメロディーの、まるで幼少時に開けたオルゴールの音楽のようだ
ふたりは並んで座ったまま、無言で目を閉じ、機械が終わるのを待った…
3台の洗濯を廻してるあいだ、ふたりは固い長イスに並んで座って待っていた
ナオトは周りを珍しそうにキョロキョロ見ていたが、シンシアは探し出したメモリーカードにイヤホンを挿して音楽を聴いていた
目を閉じて静かに音楽を聴いているタンクトップ姿のシンシアは本当に学生寮の生徒のようだ
視線を感じたシンシアが目を開けた
「お前も聴くか?」
「誰なんです?」
「昔の音楽だ…祖父が好きだったんだ…オランダのヴァレンシアという人だよ」
イヤホンの片方だけを貸してくれたので、耳に当たる部分をささっと指で払った
「…失礼なやつだな」
「…スイマセン、なんとなく…」
ナオトの片耳から流れこんできた音楽は、懐かしいような物悲しいメロディーの、まるで幼少時に開けたオルゴールの音楽のようだ
ふたりは並んで座ったまま、無言で目を閉じ、機械が終わるのを待った…