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浮遊空母～ぼくの冷たい翼～

第6章 ～演習～

あれから数日後

ナオトのカスタム機“クラング<改>”の調整もほぼ完了し、システム同期が実施された

元々地上ガード部隊に調整されていたＯＳを空母部隊のＯＳにアップデートさせる作業だ

数々のバックアップを取ったあと、再起動のチェックが行われた

システム上の作業なのでナオトは格納庫のシステムルームに缶詰めになっていた

メカマンのマーカスは若いエンジニアだ

町工場で改造車をメンテナンスするようにテキパキと作業している

若干チンピラ風のマーカスだが、この新しい取り組みを頻繁に行う部署は本人もやりがいがあるらしい

ガツガツ話す口の悪さがナオトは苦手だ

新しいＯＳを覚え直さないといけないナオトにとって、ノリと魂で会話する彼の説明は単純明快で理解しやすかったが、１セクション終わるごとに拳を交わすヤンキーのような合図がわずらわしかった


ＯＳ自体は新規ではなくあくまでバージョンアップ程度なので操作性には問題なさそうだ

明日にはアップデート後の起動と同期演習を終わらせれば、シンシア隊との合流も出来るだろう

しかしマーカスはその同期演習を不安視していた

「俺から言わせりゃあ、中途半端な上書きなんかせずにズバッと新規のマシン積んだほうが安心ってもんだぜッ！中古の基盤なんてぜってー変な癖がついてんだからよぉッ！作戦中にフリーズなんかされた日にゃあメカマンの信用をなくしちまうってばよ」

「たしかに問題は困るけど、実戦前に判明したほうがいいじゃないか、これから上書きだけで切り替えていくことになるかもしれないんだし…」

「わぁーってる、ｉｆを言い出したら切りが無いしな、兄ちゃん明日は頼むぜ！」

一日中缶詰めになっていたナオトだったが夜にようやく解放されることになった

腹を空かせたナオトは食堂でマリコたちハンズィ隊の面々と顔を合わせた

「ナオト！今から食事？」

数日ぶりに顔を合わせた２人だった

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