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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第28章 インド編②プラガーシュ 〜最初の灯り〜

(6)

ドドドドドッッッ!!!!



敵の〈ファトワー〉の軍勢が一斉に弾幕を張って赤い〈シュターム〉を追い詰める!



逃げた先に、また別の小隊が待ち構えている!



反転させるソニア



ラルフが支援に向かいたいが、こちらも〈ファトワー〉小隊にマークされて交わしきれていない!



「くそッ! ソニアも俺も完全にマークされてるッ! これじゃあ身動きがとれねェッ!」


重火砲装備のF3のダークとヨルグは絶え間なく迎撃ミサイルを放っているが、先読みされているようだ


この数日の動きを見切っているようだ



雨のような弾幕をかいくぐって進む赤い〈シュターム〉


死にものぐるいでソニアは突撃していく


「……るおおッッッ!!!」


コックピット内の360度モニターの画面が赤くアラートしたり、黒く塗りつぶされカメラが死んだりしていく



それでも赤い〈シュターム〉は次々と目の前に立ちはだかる敵の〈ファトワー〉をなぎ倒していく



〈シュターム〉は被弾しながらも疾走する


肩の装甲が剥がれ落ちる


片腕は斬り落とされる


主翼は無惨にも打ち砕かれている



機体の全身から潤滑動力オイルが漏れ、血を流しているかのように見える


頭部のメインセンサーが容赦なくビームサーベルに貫かれる



それでも


ソニアの気迫はまだ残っている



「まだまだぁーーーーーッッッ!!!」



残された片腕のビームサーベルが穿孔し、

背中のキャノン砲が火を吹く



そんな満身創痍の〈シュターム〉の前に

敵の〈ファトワー〉が十機以上の新手の編隊が現れて、取り囲む……



「……ああ………、タオ…」



敵の一斉掃射の光があたりを一瞬に包んだ……



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