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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第28章 インド編②プラガーシュ 〜最初の灯り〜

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謎の3つの機体


緑色の機体が空の色に溶け込み、視認しにくくしている


機体は航空機から腕が生えたようなシルエットをしているので、かろうじてフリューゲルの機体なのだろう



機体は微動だにせず、その武器であろう“シャク杖”だけが敵の攻撃を遮っている


何本もの“シャク杖”はそれぞれが攻撃を跳ね返しながら、全体でバリアーのような防御をしている



敵の機体は何度も攻撃を仕掛けるが、ラチがあかず、一旦退散していった…


その空域には謎の3機と、ラルフの黒い〈ヴァルキューレ〉、そしてボロボロに被弾した赤い〈シュターム〉だけが残された



ラルフはソニアを救出したいがため、謎の機体にコンタクトをとろうと開放通信を試みた


「僚機を護ってくれて感謝する、僚機を回収したい、接近するが敵意は無い」


しぱらくして回答があった



女の声


「感謝は不要、あれらは我らの敵対する組織、僚機の救援急がれよ、機体もパイロットもダメージを受けている」



お互い攻撃する意思が無いことを確認し、ラルフは赤い〈シュターム〉に接近した


「ソニア、大丈夫かッ!? バカヤロウ、無茶しやがって!」


「……ゴメン、それにしても…このコたちは何なんだろう? 敵意は無さそうだけど…、どうしてわざわざ助けてくれたんだろう?」



ソニアも戸惑いの色を隠せないでいた


「そんもん、わかるかよッ! 自分で聞いてみなッ?」



ソニアも開放チャンネルを使用してみる



「…助けてくれて、アリガトウ
  アナタたちはどこの組織?」


ソニアの問い掛けに謎の機体の女性パイロットが応える



「私は“アブドゥラ解放軍”のアニーカ・カリード、彼らムフト軍と反する者だ」







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