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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第28章 インド編②プラガーシュ 〜最初の灯り〜

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ブリーフィングルーム


ラルフ、ハンズイの隊長ふたり、ハンセン艦長の3人が席についている


“アブドゥラ解放軍”と自称する3人だが交渉はアニーカ・カリードひとりが対応している

ふたりの女性は単純に部下であろう



「わたしがこの基地の責任者、ハンセンだ
 今回は仲間のパイロット援護、感謝します」


「私は“アブドゥラ解放軍”所属のアニーカ・カリード
 我々は今回のシンガポールの会議でのデモンストレーションに乗じて、連邦空軍との連携を希望しています
 今日はそのご挨拶……あらためて本部より正式な依頼があると思われるが、我々はその先鋒隊です
今日、そちらの機体を襲ったのはインドの“ムフト軍”、我々と敵対している勢力です

彼らの拠点はインドの最西端、カシミール州の軍勢です、カシミールはパキスタンと隣接するためインドの中でも特殊な地域でほぼイスラムの影響を受けており、永年紛争が続いています

私たち解放軍はその軍勢を抑えることを目的とした組織ですが、規模が小さいのです

相手のバックにはパキスタンのイスラムが控えています
 私たちが今回のシンガポールでの連携をし、連邦空軍はカシミールでの連携をして戴きたく提案したく参上いたしました」


第1部隊隊長のハンズイが口を開く


「……連邦空軍は宗教戦争に加担は出来ないぜ、それに“ムフト軍”もカシミール州限定とは言え、正規軍だろう? 連邦空軍が国内干渉するわけにもいかないと思うが?」


「……ええ、それはもちろん
 出来れば補給経路の確保、補給業務、空域の哨戒に参加していただければ助かります
 前線は我々の仕事ですので…

 ただ連邦空軍がインドの紛争に加担している状況はお互いに好ましくありません…
 そこで連邦正規のインド駐留部隊ではなく、アナタたち特殊部隊のほうが、何かと隠密に出来るのではないかと、こちら側は考えております

 なんせ“ムフト軍”は強力で、我々だけでは物資も満足に得られない状況なのです」

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