テキストサイズ

浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第28章 インド編②プラガーシュ 〜最初の灯り〜

(16)

敵のフリューゲル〈ファトワー〉が傷ついたヴァイカートの機体を取り囲んだ


ヴァイカートの駆るフリューゲル〈フリーゲンF2〉は数発の被弾を受けて、一部から煙があがっている


ヴァイカートのコックピット内はいくつもの計器が反応しておらず、僚機とも連絡がとれない


「ピーヴィー! トビアス、 トーメン!

 くそッ! 誰も連絡がつかねェ!」


ヴァイカートはかろうじて機体をクルクルと旋回飛行させ、少しでも直撃から逃れようと回避運動をとる


〈ファトワー〉たちは弱者をいたぶるように追い詰めていく…


そのとき!



まばゆい光りがヴァイカートの視界を奪う!


「うォッ? な、なんだッ!? 攻撃か?」



追い込まれた〈フリーゲンF2〉のその先に、見慣れぬ機体


それも3つ…



アニーカ・カリードたちの駆るフリューゲル

〈プラガーシュ〉


グリーンカラーのボディ
サメの頭のように尖った上半身

従来のヒトの半身をモチーフとするフリューゲルとは異なるシルエットなのは〈ファトワー〉同様だ


ボディの先端にはぐるぐると模様がかたどられ、宗教的な装飾が施されている

そしてその手には長い杖


杖は本体から離れて、ふわりと浮かんでいった


杖は何本も増えていき、周りは数本の杖に取り囲まれていく


「なんだ? 新手の武器か?」


初見のヴァイカートはこれからどうなるのか、検討もつかなかった!


杖から杖へ光りが流れていく


光りは次々と結びついていく


まるで〈フリーゲンF2〉を取り囲むように…


ストーリーメニュー

TOPTOPへ