テキストサイズ

浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第29章 インド編③アニーカ・カリード 〜闇と孤独〜

(3)

3人のパイロットにソニアを加えた4人は食堂へ移り、軽い話しをしながら食事を摂った

アニーカ・カリードは三十代なかば、
お供のふたりノマとファラは二十代だそうだ


警備は不要、とソニアは艦長に伝えて警備をしていた4人の女性兵士は皆から離れた

ソニアは用意された個室に案内する


「ここは4人部屋、空いてるベッドは荷物置きにでも使えばいいわ、トイレはさっきの食堂の隣と、あとここの女性側のプライベートエリアにもあるわ、廊下を出て左ね

 ちなみに私は隣の部屋、なにかあったら呼んでくれていいわ
 疲れたでしょうから、ゆっくりして!」


「ありがとうソニア、ほら二人もお礼を言いなさい」

ノマとファラの二人もお礼をいって、ソニアは部屋を出た


3人は緊張を解いて、ベッドに腰掛けた


「アニーカ、これからどうなるのでしょう?」


「ここの兵隊さんたちは親切ね、まぁそれも私たちが戦闘での働きを見せたからでしょう
 ただ彼らが提案に乗るとは思えない
 彼らにメリットが無いものね……

 当分はここに間借りさせてもらって、私たちが信頼を得られるよう努力するしかありません
 彼らが協力できる“理由”が必要です
 内政干渉をも踏み込めるほどの大きな理由がね……」


「〈サイコ・フレーム〉の技術提供だけでは動けないんですね……」

「民間企業とは違うからね、取り引きだけでは反対勢力を抑えられないのでしょう……
 公の連邦軍として世論が納得するような参戦方法でないと難しいでしょうね……」


「それまでアブドゥラは保つでしょうか……」


ノマとファラの若い二人は不安で一杯のようだった……



ストーリーメニュー

TOPTOPへ