浮遊空母~ぼくの冷たい翼~
第29章 インド編③アニーカ・カリード 〜闇と孤独〜
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ソニアの搭乗していた機体、赤い〈シュターム〉の修理は当分終わりそうに無かった
白い3号機がバラされてパーツ用に使われる事も検討されていたが、結局3号機は保留にされることになった
フリーゲンのパーツを使ったハイブリッド機も検討されたが、もともと小型化された機体だった為に共有できるパーツが限られていた…
代わりにソニアはノマの機体を使った〈サイコ・フレーム〉の実験か、
僚機の代役として哨戒飛行に出るか、のどちらとなっていた
ノマが明るく声を上げる
「そうそう、そのイメージよ」
「ふう、動いたね」
「ソニアは素質があります、きちんと連動していたわ」
「でも私は宇宙に出たことはないからニュータイプでは無いわね」
「タオに改造された強化人間なんじゃない?」
ノマは笑った
「……気付いた?」
「そりゃあ壁越しに毎晩聞かされれば!」
「そっか……、そんなに壁って薄いんだ」
「大丈夫よ、口外はしないから
でも基地がここで良かったわ、インドでは待遇が悪くなってしまうかもしれない」
「そうなの?」
「うーーん、ムンバイとか都心部はそういう人たちも多くなりつつあるけど、まだまだ一般的に認知されてるわけではないわ
ましてやイスラム教徒の多いカシミールのエリアになると差別の対象になるでしょうね
イスラムでは女性の地位がとても低いし、仕事も就けなければ、音楽を演奏することも出来ないわ、女性同士の恋愛か判ればきっと両親からも絶縁させられるわね」
「……民衆でそんなに酷いのなら、荒々しい軍隊ならもっと強烈なのかもね、ゾッとするわ」
「ナフト軍は古いイスラム原理主義のもと結成しているので軍属にも入れないケドね
だからナフト軍がインドを掌握してしまうとインドそのものが地獄のようになってしまうのよ」
ノマは悲しげに故郷を呪った……
ソニアの搭乗していた機体、赤い〈シュターム〉の修理は当分終わりそうに無かった
白い3号機がバラされてパーツ用に使われる事も検討されていたが、結局3号機は保留にされることになった
フリーゲンのパーツを使ったハイブリッド機も検討されたが、もともと小型化された機体だった為に共有できるパーツが限られていた…
代わりにソニアはノマの機体を使った〈サイコ・フレーム〉の実験か、
僚機の代役として哨戒飛行に出るか、のどちらとなっていた
ノマが明るく声を上げる
「そうそう、そのイメージよ」
「ふう、動いたね」
「ソニアは素質があります、きちんと連動していたわ」
「でも私は宇宙に出たことはないからニュータイプでは無いわね」
「タオに改造された強化人間なんじゃない?」
ノマは笑った
「……気付いた?」
「そりゃあ壁越しに毎晩聞かされれば!」
「そっか……、そんなに壁って薄いんだ」
「大丈夫よ、口外はしないから
でも基地がここで良かったわ、インドでは待遇が悪くなってしまうかもしれない」
「そうなの?」
「うーーん、ムンバイとか都心部はそういう人たちも多くなりつつあるけど、まだまだ一般的に認知されてるわけではないわ
ましてやイスラム教徒の多いカシミールのエリアになると差別の対象になるでしょうね
イスラムでは女性の地位がとても低いし、仕事も就けなければ、音楽を演奏することも出来ないわ、女性同士の恋愛か判ればきっと両親からも絶縁させられるわね」
「……民衆でそんなに酷いのなら、荒々しい軍隊ならもっと強烈なのかもね、ゾッとするわ」
「ナフト軍は古いイスラム原理主義のもと結成しているので軍属にも入れないケドね
だからナフト軍がインドを掌握してしまうとインドそのものが地獄のようになってしまうのよ」
ノマは悲しげに故郷を呪った……