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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第29章 インド編③アニーカ・カリード 〜闇と孤独〜

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アニーカ・カリードはシャワーを終え、連邦空軍の試供品の下着を身に着け、持参していた長いスボン、長いシャツ、ストールを纏う


他のクルーのようにTシャツやハーフパンツのような肌を露出させたものは連邦空軍の中でも抵抗がある


特にインドでは脚を見せたり、デコルテを見せたり、おしりのラインを出すのは男を誘っているように思われがちだ


ましてやタンクトップのような身体にフィットしたような服は選ばない


ここの基地ではストール姿が目立ってしまうかもしれないが私生活の時間は許してほしい


本当は身体のラインが出るパイロットスーツも抵抗があるのだから



食堂に行くとノマ、ファラ、ソニア、タオが先に来ていた

少し離れたところでラルフも居る



ノマたちのテーブルに一旦ついたが、すぐに立ち上がる


アニーカ・カリードはラルフの席までおもむき

声をかけた


「先ほどは失礼しました、連携行動の提案があるのですが良かったらこちらのテーブルに来ませんか?」


ノマとファラは驚いた

そのような行動をとる彼女の姿を見たことが無かった


ラルフはトレイを持って席を移動した


「邪魔するぜ」

「どうぞどうぞ、ラルフ隊長」

ソニアが茶化した


ノマは小さな声でアニーカ・カリードに声をかける


「どうしたんです?」

「勘違いしないで、同じ編隊なのだから普段からコミュニケーションをとるべきです」


それでもノマは戸惑っていた


アニーカ・カリードは気持ちをリセットさせていた

シャワールームは自分にとっての儀式


黒い自分は洗い流され、

真新しい自分に切り替わるのだ



彼女なりにここの雰囲気に馴染もうと努力するのだ




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