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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第30章 インド編④カシミール戦役

(3)

ライナーズを乗せた宇宙シャトルが飛びたった


大気圏外にはシャトルを回収する中継ステーションが周回しており、そこから月や近隣のスペースコロニーへ行き来できる


ライナーズは上司の代役としてシンガポールの〈強化人間会議〉に出席し、そのシンガポールに配備されていたキュール・シュランクから宇宙へ脱出する計画を立てていたのだった


ゲルト教授と世間話しをしていたときにあえて言わなかった、ネオ・ジオンの新勢力が地球に対して質量攻撃を仕掛けてくるかもしれない作戦

鉱山小惑星を基地とするか、それとも質量攻撃に使うか…


どちらにせよライナーズからすれば地球での研究は潮どきだと察した


そして


キュール・シュランク部隊もシンガポールの〈強化人間会議〉が閉幕したため制空権の確保の任務も終了した


試作機の実験部隊であるキュール・シュランクは新たな戦闘データを得るためシンガポールから離れることになる


艦長のハンセンは上層部との協議の結果、アニーカ・カリードの提案を受け入れ、アブドゥラ解放軍との共同戦線を展開することに決定した


それは〈サイコフレーム〉のデータと実戦記録の確保を優先させたもので、カシミール地方の宗教戦争には関与しないという条件付きでもあった


キュール・シュランクはシンガポールでの作戦を終え、最後の補給を行い、インドへ向かって発進した……


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