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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第30章 インド編④カシミール戦役

(8)

空港の滑走路にはキュール・シュランクからの輸送機ミデア・ノイも浮上していた


滑走路に残されていた生存者を乗せ、フリーゲン小隊の護衛をうけながら滑空していく


ソニアも周囲の警戒を怠らない


「やっぱりちょっと操作しにくいなぁ
 ちょっとキミ!後ろのボックスからベルト出して女性の身体を固定して!
 終わったら、私の前に回ってくれる?
 思うように動き回れないからさぁ!」


アキラはハイ!と応えて、慌てて慣れぬ手で母親ミサコの身体を固定させた


アキラは横に移動しようとするが360度モニターが怖くて酔いそうだ


まるで宙を飛んでいるかのような錯覚になる


「こっちに来て!私のシートベルトで固定します!急いで!」


ソニアは瞬間的にベルトを外し、アキラを膝に乗せる


ベルトを再装着させるとグリップを握り直した


「ごめん、ちょっと揺れるよ、目をつむっといたらいいから!」


渓谷の陰から〈ファトワー〉が現れる!


「そら来た!」


ソニアは機体をクルクルと回避運動させ、雷撃砲〈ブリッツ〉を放った!



バリバリバリッ!


ソニアが派手に動き回っているうちに他のフリーゲンたちがミデア・ノイを庇うように飛行する


アキラはソニアの膝の上で目の前の凄まじいスピードに吐きそうになる


そんななか、アキラは背中に感じる女性の身体の柔らかさに気付いた


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