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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第30章 インド編④カシミール戦役

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夜が明けきらぬ薄暗い空の下、ムフト軍の男たちは出撃した


戦車、ジープ、ロケット砲、装甲車

さらに横流しで回ってきたモビルスーツの姿もある


そして制空権を確保するため新鋭のフリューゲル〈ファトワー〉の大部隊が空を覆う


もともとモビルスーツよりコストダウンした機動兵器のフリューゲルシリーズだが、〈ファトワー〉はさらに簡略化が進み低コストでの量産が可能だった


西洋社会から孤立しがちな世界のため資金減に陥りやすい

〈ファトワー〉は正規ルートではなく裏で〈アモルィス社〉が暗躍していた


人のカタチすらとらず流線型に先細りとなるシルエットはシンプルであり無機質な印象だ



偶像崇拝を禁じる彼らにはうってつけなフリューゲルかもしれない


ムフト軍の大軍団は川沿いにカシミール渓谷に迫っていった…


先行していた哨戒部隊から連絡が入る



昨日、逃げ込んだ輸送機たちは渓谷の奥に潜んでいるハズだ


護衛していた連邦軍の武装部隊も帯同しているだろう


哨戒部隊は警戒飛行している連邦のフリューゲルや小型の航空機を何度も確認した


間違いなくこの奥に敗残兵がいる


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