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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第31章 インド編⑤終幕

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連邦空軍が入手した〈サイコフレーム〉の試験運用は月のアナハイム・エレクトロニクス社のフォン・ブラウン工房のスタッフを喜ばせ、月面ではグラナダに遅れてフォン・ブラウン製の〈サイコフレーム〉が実現化しようとしていた


地球での〈サイコフレーム〉研究も引き続き行われていたのもスリナガルと地球連邦政府の本部〈ラサ〉が比較的近かったことも要因のひとつである


インド最北端のスリナガルとチベットのラサの地理的要因により連邦本部からの受けも良く、決済も降りやすったのだろう


いくつかの試作機〈フリーゲンF5〉こと〈サイコ・フリーゲン〉は順調に生産され、ドイツのハノーバーに戻ったゲルト教授は既存のフリーゲンへの組み込みだけでなく、〈サイコフレーム〉を念頭に置いた新規の機体開発にも着手していく


浮遊空母〈キュール・シュランク〉は一定の期間スリナガルに駐留していたがガルダ級、フェニックス級の航空母艦に任務を引き継ぎ、本来の任務である〈アジア方面での試験運用〉に戻ることになった


当然ながら新鋭機〈サイコ・フリーゲン〉も数機配属され、パイロット全員に一般サイコミュの適性検査が行われた


もちろんソニア・ミラーはトップの適性数値を叩き出しラルフ小隊から独立し、小隊長へと昇進することになった


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