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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第6章 ~演習~

すでに夕方

ヤン軍曹はにぎやかな酒場のカウンターにいた

シンシアと別れてからは連邦軍の駐留舞台が集まりそうな場所を聞き込みをしてきた

酒、ビリヤード、軽音楽…たしかに息抜きにはちょうどいい

インドネシアには昔からごった煮な場所だ

オーストラリアの西洋人と中国系のアジア人が混在している

かつては産業の国であったインドネシアの環太平洋地域における軍の駐留は、現在辺境の廃れた基地に落ちぶれている

数年前の「コロニー落とし」の影響でオーストラリア大陸は壊滅状態となり、かろうじて残ったアジアの島々も一部は海に沈んでしまった

インドネシアの駐留基地も廃棄寸前の基地のままいまだにズルズルと運用されていた

表舞台から忘れ去られつつある辺境の地

ヤンは軽い酒を飲みつつ辺りを観察していた

たむろして騒ぐ若い軍人
静かに酒を飲む上官
それらにまとわりつく地元の女性たち

ヤン軍曹はキャミ姿の女性たちを見ながら、ゆうべのアンジェラ軍曹との一夜を思い浮かべていた


いかにもアメリカ人といった派手な金髪に青い瞳の女性兵士アンジェラ

誰もが相手になりたがるイイオンナ

そんなアンジェラが自分の上に跨り、腰を振っている

のけぞり、喘ぎ、自らの快楽を求めている

ヤンの経験上、一番ボリューミィーな身体をした相手だった

やがて2人はぐったりと身を重ねたまま動かなくなってしまう

常に緊張感にあるパイロットである彼らに、つかの間の時間だ

緊張感のまま浮遊空母に帰還したとき、戦士は緊張をうまくほぐせないときがある

高揚した感情を何かにぶつけたいのか、不安に押し潰されそうなのか…

いつの間にかヤンとアンジェラはパートナーを組んでいた

寡黙なヤンは当初アンジェラの派手さが苦手だった

なぜ自分が相手に選ばれたのかわからなかった

アンジェラ曰わく
「軽グチばかり叩く白人はこりごり」だそうだ

過去に何があったのかなんて無粋な質問はしない

前線には様々なファクターが絡み合い、戦士たちはその危険な日常を受け入れなくてはいけないのだから

アンジェラの身体は絶品だった

しなやかな身体の動き

息づかい

汗まみれになった身体を冷やすため空調をつけるとアンジェラは世間話をはじめた…

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