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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第33章 スペースコロニー

(2)

ぞろぞろと旅行客はシャトルからブリッジを伝って降りていく


席を立とうとして勢いをつけ過ぎると身体が浮かび上がってしまい、天井にぶつけてしまいそうだ


まだ地球の重力が残っているものの、ここはすでに無重力に近い


床を蹴って、浮かぶように通路を進んでいく


シャトルに乗り込む時は入念なチェックがあったのに、降りるときは何にも無いのが拍子抜けする


ブリッジを通り抜けると広いエントランスに出てくる


天井がとても高い


そして広い空間


アジア人の少年がキョロキョロして辺りを見渡す


幼い頃に旅行で来たはずなのに、全く見知らぬ景色だ


「こっちだよ!」


エントランスの向こうの方の遠い壁に可愛らしい金髪の少女が立っていた


「キョロキョロするからはぐれるんだ」


「だって記憶の場所と全然違うんだ」


「宇宙ステーションはいくつもあるからね、
  さぁ、行こう!」


金髪のティーンエージャーの女のコがアジアの少年の手を掴む


ふたりはエントランスから出ると長い通路を跳ねていく



周りにもたくさんの旅行客が居るが、なんとなく白人の人ばかりだなと気づく


アジア系の顔立ちは少ない


自分は目立ってるのかな?

少年はフードを被って通路を進んだ





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