浮遊空母~ぼくの冷たい翼~
第33章 スペースコロニー
(3)
通路はいくつか枝分かれしていき、いま進んでいる通路の壁には巨大な標識が貼られている
奥への矢印で「L5/ザーン」と記されている
ほどなくして広いエントランスに出た
少女と少年は搭乗口の受け付けカウンターへ並ぶ
数人のあと、ようやく順番がまわってきた
大人の女性が静かな立ち振舞いでチケットを確認する
「ご旅行ですか?」
カウンターレディは二人に声を掛けながらも手元のキーボードを素早く入力していく
「ええ、そうなの!叔父に会いに行くのよ」
金髪の少女はまるで夏のバケーションにでも行くかのように明るく振る舞った
しかし連れたっているのはアジアの少年
親戚でも無いだろうに…
「叔父さんにボーイフレンドを紹介するの?」
「違うわ!私たちすでに結婚してるから」
カウンターレディは「え?」とチケットを見直す
正直言ってチケットの番号を入力しただけで本人のサインは確認していなかった
確かに同じファミリーネームだ
「ナオト・サカモト」
「シンシア・サカモト」
金髪の少女はクスクス笑いながらチケットを受け取りカウンターレディに手を振った
「楽しいご旅行を!幸せが舞い降りますように」
金髪の少女は遠くから振り返って
「私はもう幸せよ!」
無邪気なティーンエージャーのカップルは立ち去って行った
後ろの列に並ぶ初老の男性がカウンターにつく
「ありゃ子供じゃないのかね?」
「私もそう見えたんですが…、まぁアジアの方は若く見えますからね」
「私の孫とそう変わらんように見えたが、時代は何でも変わるもんだな」
カウンターレディも頷いた
通路はいくつか枝分かれしていき、いま進んでいる通路の壁には巨大な標識が貼られている
奥への矢印で「L5/ザーン」と記されている
ほどなくして広いエントランスに出た
少女と少年は搭乗口の受け付けカウンターへ並ぶ
数人のあと、ようやく順番がまわってきた
大人の女性が静かな立ち振舞いでチケットを確認する
「ご旅行ですか?」
カウンターレディは二人に声を掛けながらも手元のキーボードを素早く入力していく
「ええ、そうなの!叔父に会いに行くのよ」
金髪の少女はまるで夏のバケーションにでも行くかのように明るく振る舞った
しかし連れたっているのはアジアの少年
親戚でも無いだろうに…
「叔父さんにボーイフレンドを紹介するの?」
「違うわ!私たちすでに結婚してるから」
カウンターレディは「え?」とチケットを見直す
正直言ってチケットの番号を入力しただけで本人のサインは確認していなかった
確かに同じファミリーネームだ
「ナオト・サカモト」
「シンシア・サカモト」
金髪の少女はクスクス笑いながらチケットを受け取りカウンターレディに手を振った
「楽しいご旅行を!幸せが舞い降りますように」
金髪の少女は遠くから振り返って
「私はもう幸せよ!」
無邪気なティーンエージャーのカップルは立ち去って行った
後ろの列に並ぶ初老の男性がカウンターにつく
「ありゃ子供じゃないのかね?」
「私もそう見えたんですが…、まぁアジアの方は若く見えますからね」
「私の孫とそう変わらんように見えたが、時代は何でも変わるもんだな」
カウンターレディも頷いた