浮遊空母~ぼくの冷たい翼~
第33章 スペースコロニー
(12)
シンシアとナオトは連邦軍の駐留基地に出向いた
推薦状を手渡して先日まで連邦空軍に所属していた事を説明する
データの照会は済んだが、元々浮遊空母である実験部隊〈キュール・シュランク〉は表立って公表されていないので時間がかかってしまった
それでもテレビの報道でシンガポールの防衛記録に映る〈キュール・シュランク〉の記録から何とか照会が確認された
目的は無重力下での訓練だったので、比較的カンタンに案内された
これが重要な任務だったらなかなか進展しなかっただろう
元連邦軍兵士がリハビリテーションをして戦線復帰することはよくあった
学生をいちから何年もかけて訓練する訓練校もあったが、紹介してもらったのは宇宙空間での教習所のような施設だ
ふたりは駐留基地を後にして、久しぶりのデートを楽しんだ
街でウィンドウショッピングをしたり、アトラクション施設に立ち寄ったりした
デートというのも目的だが、連邦軍の施設からまっすぐエリーの牧場に戻るのは危険だと捉えたからだ
シンシアは牧場に電話をかけて今夜は街に泊まると告げた
夜は遅くまで営業している映画館で時間を過ごす
深夜までやっているバーで軽い食事をとって、ふたりは街から少し離れたモーテルのような場所に宿をとった
「ナオト、疲れたかい?」
「うん、少しね……でも普段出来ない事をまとめてやったみたいだよ」
「そうだね、私も過去の時間を取り戻しているみたいな感覚になった」
「アルバートさんとの時間だろ?」
「言うな!」
ふたりは笑いながら大きなベッドに飛び込んだ
シンシアとナオトは連邦軍の駐留基地に出向いた
推薦状を手渡して先日まで連邦空軍に所属していた事を説明する
データの照会は済んだが、元々浮遊空母である実験部隊〈キュール・シュランク〉は表立って公表されていないので時間がかかってしまった
それでもテレビの報道でシンガポールの防衛記録に映る〈キュール・シュランク〉の記録から何とか照会が確認された
目的は無重力下での訓練だったので、比較的カンタンに案内された
これが重要な任務だったらなかなか進展しなかっただろう
元連邦軍兵士がリハビリテーションをして戦線復帰することはよくあった
学生をいちから何年もかけて訓練する訓練校もあったが、紹介してもらったのは宇宙空間での教習所のような施設だ
ふたりは駐留基地を後にして、久しぶりのデートを楽しんだ
街でウィンドウショッピングをしたり、アトラクション施設に立ち寄ったりした
デートというのも目的だが、連邦軍の施設からまっすぐエリーの牧場に戻るのは危険だと捉えたからだ
シンシアは牧場に電話をかけて今夜は街に泊まると告げた
夜は遅くまで営業している映画館で時間を過ごす
深夜までやっているバーで軽い食事をとって、ふたりは街から少し離れたモーテルのような場所に宿をとった
「ナオト、疲れたかい?」
「うん、少しね……でも普段出来ない事をまとめてやったみたいだよ」
「そうだね、私も過去の時間を取り戻しているみたいな感覚になった」
「アルバートさんとの時間だろ?」
「言うな!」
ふたりは笑いながら大きなベッドに飛び込んだ