テキストサイズ

浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第33章 スペースコロニー

(13)

翌日の昼過ぎ、2人はエリーの牧場へ戻った

昼からはシンシアは牧場の手伝いをして、ナオトは街へ出かけて訓練所へ登録しに出掛ける


入所の登録を済ませ、少し訓練所の見学をしていた


ポスターにはモビルスーツの写真が貼られていたが、どうみてもここには作業ポッドしか無さそうだ


それでもここに通っているであろう面々を見てみると若い学生から、退役軍人のような屈強な男、さらに小太りな男なんかも居てる


小太りな男はナオトの視線に気が付き声を掛けてきた


「俺はスクラップ屋なんだ、宇宙には鉄くずが沢山浮いてるからな!シャングリラでは誰でもプチモビで作業をしていたんだがロンデニオンでは資格がいるらしい
 兄ちゃんは学生あがりかね?うちの会社で働かないか?」


シャングリラ・コロニーでは治安が良くないというのは聞いていたが、色々と無法地帯のようだ


そこへキャップを深々と被った職員がやって来る


「ちょっと!ここで変な勧誘をしないで!」


「へへ、わかってますよ!シモンズ教官
 見学に来てる兄ちゃんと世間話ししてただけですよ」


男はすぐに消え去った


施設の制服と制帽を被ったシモンズと呼ばれた教官は小柄な女性教官だった


「キミ、入所希望の人?」


「え? いや手続きはさっき済ませました」


「そう……、どうしてここへ来たの?」


「えーっと、宇宙空間での訓練を…」


「それはそうでしょう!正式な連邦軍兵士を望むのならちゃんとした学校へ行くハズ!
 ここへ来るってことは楽して資格を取りたいか、後ろ暗い過去があるか、どちらかでしょう」


ナオトはとんでもない施設を紹介されたもんだと嘆いた……


ストーリーメニュー

TOPTOPへ