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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第33章 スペースコロニー

(14)

ナオトはシモンズ教官に退役軍人なのだと説明した

そして駐留基地でこちらの施設を紹介してもらい無重力での訓練を兼ねてリハビリテーションをしたいと伝える


シモンズは少し強面の雰囲気で愛想笑いをするタイプでは無さそうだ

元軍人なのかもしれない


「アースノイドと会うのは初めてかもしれない…、そんなに地球の重力は強いものなのか?」


「ドクターストップが重力下のG耐性かどうかまではよくわからないんですけど……」


「宇宙空間でもG圧は凄まじいけどな、甘いんじゃないか?キミ」


ナオトは入所前から叩きのめされた


どうして初対面の人にここまで言われなきゃならないんだろう?


ナオトは返事をせず、途方に暮れている


「まぁ、いい!ようこそロンデニオンへ!」


シモンズは両手を拡げてナオトの入所を歓迎した



「私はどうせ今から時間があるんだ、次の訓練まで2時間も開いてるからな
 キミに館内を案内しよう!」


有無を言わさずナオトは手を引っ張られた


エピカ・ロンデニオン空間訓練校


ふたりは館内を歩き回り、最後に格納庫にやってきた


格納庫には作業用宇宙ポッドや、少し大型のプチモビと呼ばれる小さな手足がついた機械が並んでいた


「まずは座学からなんだが、実習は作業ポッドから始まる
 コイツで無重力での操作を慣れてもらう
 その後はプチモビでアンバックの練習だな」


「アンバック?」


「姿勢制御をスラスターばかり使ってたらすぐにガス欠になるだろ? 手足を動かして慣性を使うんだ、それをプチモビで学ぶ」


ナオトはなるほどと頷いた


「退役軍人はモビルスーツのパイロットもいらっしゃるんですよね? 彼らは訓練しなくても出来てしまうんじゃないんですか?」


「うーーん、出来ない奴はベテランでも出来ないもんなんだよ、ソイツらは無駄な燃料を使って戦ってたんだな、それを訓練で学ぶんだ」

シモンズはニヤリと笑った


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