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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第33章 スペースコロニー

(17)

シモンズ教官は話しを続ける

「アースノイドにはピンと来ないかもしれないが、私たちが吸う空気…

 失くす事は簡単だが、作り出す事は大変なんだ

それは私たちの足元にある地面も、

水も、野菜も、肉も…

コロニーの中では限られた貴重な資源だ


でもな、


破壊してしまえばそれらは一瞬で宇宙空間へ放り出されてしまう

モビルスーツは破壊はするが生み出しはしない


作業ポッドはコロニーを作ったり保守したり出来る

私は作業ポッドのほうが素晴らしいマシーンだと思うけどな」


シモンズは機械のメンテナンスを続けたまま独り言のように語った


ナオトは何も返せず、無言で作業を続けていた…


「…よし、コイツで最後だ!助かったよ、これで明日は朝から訓練が始められる」


「手伝ってなかったらどうなってたんですか?」


「1台を20人が順番に並んで乗り込んでたな、きっと訓練にならんだろーなー」


「訓練になってないじゃないですか!」


「でも授業チケットの売り上げは上がるから、まんざら悪くないかもな」


「悪徳商法じゃないですか?」


「冗談だよ、そんなこと繰り返してたら生徒が減るだろ」


シモンズはまだ若い教官のように思っていたが、中身は乾いた老人のようだなとナオトはため息をついたのだった…


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