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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第7章 ~オーガスタ研究所~

小さなアンジェラが王子様に出会えたのはその日限りだった


その後、情勢が変化していき裕福だった暮らしも暗雲がたちこめていった


南米での作戦、ヨーロッパでの作戦と続くなか、ジオン寄りだった義父は世間から追われ、アンジェラが思春期の頃は引っ越しを繰り返していた


ハイスクールの頃、学校での一斉検査がありアンジェラは優秀なデータがあると判断された


認識感覚と判断行動が平均値より突出していたそうだ


時代は戦後であり楽しいハイスクール生活を送っていたアンジェラだったが、軍の施設に招待された


よろこぶ義両親の姿を見てイヤとは言えず、アンジェラはハイスクールを中退、軍の研究所にテスト生として参加するようになった

きっと義両親には大金が支払われたことだろう

高齢になっていた義両親だったが十分な環境で余生を送ることが出来た筈だ


数年間、研究所で生活していたアンジェラは同じような境遇のテスト生たちと暮らしていた


脳波のチェック
シュミレーション機による訓練
集中力を高める東洋の“禅”

いつの間にかアンジェラたちは連邦軍の所属となっていた


「おかしな感じだよ、アタシが軍人だなんてさッ?だって少し前までそれなりに裕福なお嬢さんだったし、ハイスクールでは普通の学生だったんだよ?志願した気もないしさぁ」


研究所ではどうやら実戦に対応できるパイロットを育てたかったようだが、現実的にはそう簡単なものではなかった

業を煮やした類似の研究所が日本にあったらしい

そこでは薬物を使ったり、記憶をいじったりするという噂がどこかしらか聞こえてきた

北米の研究所ではそういった人体実験のようなことは無かったが、高度の反応を示す脳波マシーンが数パターン作られ

アンジェラたちはそのテスト生のような暮らしが続いていた


何年かそんな暮らしが続いていたが、日本の研究所は閉鎖となり、北米の研究所に割り振られてやってきた者たちが乗り込んできた


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