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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第34章 25バンチの亡霊

(6)

2時間ほど移動して小さな渓流を発見した


山の斜面のような場所で、モビルスーツの身も隠しやすい

斜面の段差があるところも有り、小さな滝のようになっている

たまらずジム・トレーナー・セカンドを屈めてコックピットを開ける!


涼しい空気!


ワイヤーセンサーを先に張って、ふたりは川に飛び込んだ


汗を流し、喉を潤す


「まぁ、いいか」とシモンズは残されていた僅かな肌着も脱ぎ捨て全裸になってあらためて滝を泳ぐ


「女性にだけ恥はかかせません」

ナオトも脱ぎ捨てて滝つぼの深い場所まで泳いだ

滝の下に並んで、天然シャワーを浴びる


爽快感!


ふたりは数時間ぶりに笑顔になっていた


先に滝を離れるシモンズの肢体に目を取られる


“いつも制帽姿だったから気が付かなかったけど、金髪のロングだったんたな”


いつもと違う印象だ


そして


小柄なわりにスタイルが良く、胸も尻も大きく張り出していた


視線に気付いたシモンズは隠しもせず堂々と正面を向けた


金髪で青い瞳はシンシアに似ている


“もしシアが歳相応の姿だったら、こんな感じなのかな?”


シモンズ教官の年齢は聞いたことないが、三十代後半だとしてもシンシアより歳下になるのだろう


シモンズのほうも開放感からか、若い男が食い入るように自分の身体を凝視してくるのは悪い気はしなかった


童顔のアジア人の少年が見惚れているといった感じか


これが白人の中年男性が眼をギラつかせていたなら不快なのだろうからわからないものだ


シモンズはニッコリ笑った


ナオトにはその笑顔のギャップもシンシアと似ていると思った……





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