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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第34章 25バンチの亡霊

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数日間のサバイバル訓練を終えてナオトはエリーの家へ帰ってきた

ちょうどスウィートウォーター制圧事件の報道直後とあってロンデニオンでも緊張状態のようだ

「で、キミ受かったのかい?」

「いや、全員不合格だったよ…、現地でのトラブルも遭ったんだけど、それに対応出来なかったね…」

「キミが留守中もサイド1宙域は大事件だよ、ついにダイクンの息子が新生ネオ・ジオンを旗揚げしたよ、テレビはそればっかりだね」

「知ってる、帰るときのドッキングベイで速報を見たよ、あと訓練中も赤い艦隊の隊列を見かけた、戦争になりそうなのかい?」

「いや、今のところスウィートウォーターの住人はネオ・ジオンを受け入れてる様子だね
 ただ独立宣言だけでは終わらないだろうな
 今から何を始めるのやら…
 スペースノイド側に立つみたいだけど、地球連邦政府に何を求めていくのか、まだよくわからないね…
 でも新しい戦艦に、新しいモビルスーツも映ってるから、地域紛争ぐらいは起こしそうだ」


キッチンからお茶の用意をしていたエリーも加わった


「私たちロンデニオンの住人からしたら、どちらの気持ちもわかるんだ、連邦軍の駐留基地があるおかげでここは比較的平和だけど、コロニーの住人は連邦政府をあまり良く思ってないからね
 電力も不安定だし、きな臭い動きもしょっちゅうだし、特に移民が増えてからは街での争いも多いんだよ
 ここの牧場はホテル隣接だから連邦政府のお偉いサンたちの関係者が多いからまだ治安はいいんだけどね…」


エリーは先の不安で深いため息をついた


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