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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第34章 25バンチの亡霊

(13)

モビルアーマー〈ビグロ〉

一年戦争の初期から開発が進められ、モビルスーツ〈ザク〉とのコンペに敗れ頓挫したものの、

大戦中期から再開発が進められたモビルアーマーの基礎とも言うべきジオン公国MIP社の早すぎた機体

後期も初期ロット14機、さらにビグ・ザム、グラブロと派生させていった強襲マシーンだ


各部隊から音声が入り乱れる

「な、なんだ!コイツはッ!?」

「ビグロタイプ?…まさか!」

「旧ジオンの亡霊かよッ!」


モビルスーツ部隊、航宙機部隊も一度体勢を立て直す

「いや、あれは本来のモビルアーマーじゃねぇ!もっとデカいハズだ!俺は終戦後アナハイムに居たから知っているぞ!ジオンの3つの兵器工場をアナハイムが吸収したとき、いくつかの計画を引き継いだんだ、いくつかの案が同時進行していたが“ニュータイプ専用機”とともに開発が進められていたのが“ビグロタイプのコストダウン案”だ!その中であの大きさを見たことがある

こんな廃棄コロニーに隠していたんだ」


各パイロットは息を呑んだ


モビルスーツのコストダウン版“フリューゲルシリーズ”があるように、大型モビルアーマーのコストダウン版があっても不思議ではない

ましてや量産化、艦隊での運用を考えれば〈小型化〉は必須案件だろう


そのテストモデル


〈ビグロ・ヴァール〉

クジラを意味するその機体は小型化させたと言っても、モビルスーツ部隊から見れば大きな獲物だった!


ビグロ・ヴァールはスラスターを光らせたと同時に素早い動きで一瞬のうちに遠方まで飛び去った

かと思えば急角度で旋回し、ビーム攻撃を開始した!


「早いぞ!」

モビルスーツ部隊は散り散りになる


ビグロ・ヴァールは機体の前方のビーム砲だけで無く、下部から伸びる爪の中からも2つのビーム攻撃を仕掛けてきた!


「早いだけじゃない!
 機動性、攻撃力ともに最新型に引けをとらんぞッ?!」


航宙機からも反撃を開始するが、それぞれの攻撃がバラバラで効率が悪い!


かろうじて反撃をするものの、敵の俊敏な動きに翻弄されていくばかりだった


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