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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第35章 秘密警察の「人狩り」

(5)

翌朝、全裸で抱き合って眠っていたソニアとノマはけたたましい轟音で目が覚めた!


〈修練場〉が攻撃されている!


ガラガラと崩れ落ちていく寺院の壁


ソニアたちは着るものも着れす、シーツにくるまったまま外へ出ると真っ黒のモビルスーツ数機が寺院のすぐ近くまで近付いていた


〈マンハンター仕様のジェガン〉!!


軍の払い下げ機体をカスタマイズして〈人狩り〉をするための改造を施されていた!


コックピットよりも腰下の位置に銃座が設けられている
人間を標的とした砲座手が座っている

対モビルスーツ戦の武装は外されている


秘密警察〈マンハンター〉は寺院を襲いはじめた


〈修練場〉で集団生活をしていた若者が次々と捕らえられ、銃撃されていった


ソニアとノマは裏に隠されていたジープに乗り込み寺院を飛び出した


「あいつらめちゃくちゃやるなぁ!?」


「連邦政府の機関だからって威張り散らしてるのよ!カシミールを制圧出来たのは誰のおかげだと思っているのかしら!?」


ジープは荒れ地を駆け抜けていくが、ジェガンも追いかけてきた


まるで〈ハンティング〉を楽しんでいるかのようだ


「反抗勢力が弱まって、余計に気を大きくしてるのよ! 私たちは連邦空軍だって言えないの?」


「照会する前になぶり殺されるよ!
 それに連邦同士でもお互い仲良しってわけでも無さそうだ!」



ガトリングガンの連射がジープをかすめる!


「追いつかれるわッ!?」


「こっちには武器が無いよ!」


ジープは丘を超えて、斜面を猛スピードで降りていった



「ダメだ! 振りほどけない!!」


その瞬間、丘の上から大きな〈影〉が!!



天空高く飛び上がって現れたのはキュール・シュランクに敵対する企業連合軍〈トランキュリティ〉 のフリューゲルシリーズだった!


翼のロゴマーク、トランキュリティの中でも実験部隊と証される〈マグリッド軍〉の機体であった…


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