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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第35章 秘密警察の「人狩り」

(9)

アレクは面倒くさい女が嫌いだった

キンバリー女医のように従属する女が良かった


「クソむかつく女だぜ、犯してやってもいいがマンハンターなんてゴキブリ野郎と同じ言いようなのはもっとむかつく
 今日は見逃してやるが、今度遭ったときは裸にひん剥くからなッ!」


アレクは相手にしてられんと身を引っ込めようとした

「ああ、そうかい?どうやらムカついていたのは私だけじゃなかったんだな?
 坊やがオッパイばかり見てたのはわかってんだ! もっと大きくなったら相手してやるよ!
 アンタ、名前なんて言うんだ?
 私はソニア!ソニア・ミラー!」


アレクはコックピットのハッチを閉じる瞬間に再び顔だけを乗り出して応える


「お嬢ちゃん!俺はきっとお前よりずっと歳上だと思うぜ! 女には不自由してないがお前はまだまだ若すぎるな、もっと熟してきたら食ってやってもいい、俺は若い女は嫌いなんだ

 それに連邦軍の兵士が連邦政府のゴキブリと争っているのだとしたら、お前たちは何の為に戦っているんだ? よぉく考えるんだな!
 矛盾しているその浅はかな行動をな!」

……俺の名はアレク!若さを失った頃にやって来い!たるんだ腹と垂れた胸をはずかしめてやる!」と言い切って再びホバリングを始めた


モノアイが不気味に光る


ソニアはまた片腕をあげて手を振った


〈グライテン〉は砂煙を巻き上げて去って行った


「……なんてヤツだ! 人が気にしている事を!」


ソニアは真っ赤になって怒っていた


「……気にしてたの?」


ノマは豊かなソニアの胸にあこがれがあるようだ

「あのガキ!本当にムカつくヤツだな!今度遭ったら撃ち殺してやる」


「あのパイロットの言ってたこと本当かしら?どう見ても子どものようだったけど、口ぶりは中年オヤジのようね」


「どこかで聞いたような話しだな」


ソニアとノマは復帰したアンジェラから軽く聞かされたシンシアの経歴を思い浮かべていた


「まさかね」


ふたりは再びジープを走らせた…


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