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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第35章 秘密警察の「人狩り」

(14)

カーーーーーッッッ!!!


荒れ地の斜面はまばゆい光に包まれた!


新型機〈プラグ・アインファッハ〉


インド戦線〈アブドゥラ州解放軍〉のフリューゲル〈プラガーシュ〉を元にゲルト教授がさらに量産化を想定した簡易モデルだ


もちろん〈プラガーシュ〉同様に〈プロトタイプ・サイコフレーム〉を搭載しており、いくつもの錫杖の遠隔操作装備〈スティッキー〉を宙に放ち、凄まじいビーム乱反射攻撃をしていた


たまらず〈マグリッド軍〉の量産機〈クラング・ハイノート〉たちが撤退していく……


ここのところ毎日が同じことの繰り返しだ



ネパールの地で連邦組織〈マンハンター〉が活性化する

それらを狙って〈マグリッド軍〉が抵抗する

その〈マグリッド軍〉を〈キュール・シュランク〉の部隊が蹴散らして追い返す……


「これじゃあ、私たちが“人狩り”を手助けしてるみたいじゃないのッ!?」


ソニア・ミラーは戦闘が終わっても虚しいだけだった……


それでも何度も戦闘を繰り返すたびに本人のサイコミュ反応は高くなっていき、機体の運動性能や〈スティッキー〉のコントロールの精度が高くなっていった


「マンハンターたちは本当に下品で野蛮な連中なのよッ!? 宇宙へ強制送還されていく民間人も増える一方よ? これじゃあネオ・ジオンと同じじゃないのッ!?

 民間組織の〈マグリッド〉が正義で、正規軍の私たちが悪事に加担してるみたいじゃないのッ!?」



コックピットの中でソニア・ミラーは泣き叫んだ



そして帰還しては、その昂ぶりを愛する女性たちにぶつけていった……


ノマとタオは毎日、クタクタになるまで攻められ続けた…


それはノマとタオには愛情表現として捉えられていたが、


ソニア・ミラーの精神は


疲弊していくのだった……


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