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（８）

「旦那さんも大変でしょ、エターナル計画の被験者は反応が早くなるだけじゃないから、性欲が凄いでしょ？」


「？」

「？」

ふたりはよくわからない顔をして見合った


「え？違う？　みんなそこを抑えるのに苦労していたのに！」

「……そこはよくわからないわ、あまり聞いたことないけど…」


「そんな筈ないわ！最初の〈特異点アレク〉から始まってみんな昂ぶりが強くなっているもの！
　私が居た頃、同期のベトナム人クーはそれで日常生活もままならなかったもの…！」


シンシアはあまり実感が湧いていない様子だ

そういえばアンジェラは男性依存気味だったかな？でもそんなに苦しんでいたかしら？


「……ダイアナはどうなの？苦しいの？」


「……今はパートナーが居るから苦労はしていないわ、でも独りの頃はやっぱり精神的に不安定だったわ……、身体が若いだけじゃなく性ホルモンも活性化するのね

　比較的安定していたのは思春期前の小さな子供たちね」


「そんな小さい子まであのラボに巻き込まれていたのッ！？」


「……そんな大きい声を出さないでよ、フロントの人が見てるじゃない！
　あなたキンバリーとアレクの子を見てないの？」


「ええッッッ！！！？？？」


「子供いたのッ？　ドクターに？」

「なぁに？親しい関係じゃなかったの？
　よくラボに来ていたわよ、お腹を痛めた子じゃないわ、キンバリーの卵子とアレクの精子を使った〈試験管ベビー〉よ！

　じゃあ、その子たちのクローンも知らないのね？」


「子供のクローン？？？」

「あ、頭がクラクラしてきたわ……」


「ドクターの子供、キアラとその妹たちは私たち被験者たちより凄い成績だったから悔しかったのを覚えているわ！　何だか自分たちの居場所を奪われたような気になったもの…」


「ええっと……、ちょっと待って！聞き違えたかな？　今“キアラ”って言ったッ？」


「あと“妹たち”って言ったわ！クローンはそんなに何人も居るのッ？？」


「食い付く所はソコなの…？」


シンシアとナオトはその夜はなかなか寝つけなかった……