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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第36章 アナハイム・エレクトロニクス〜月の死の商社〜

(9)

翌日、3人は宇宙空間に居た

ナオトは輸送艇の確認飛行をするだけだったが、シンシアはダイアナと新型機〈メテオシュタイン〉のレクチャーを続けていた


〈メテオシュタイン〉は複座式のコックピットで、コックピット周りは新規に〈完成版サイコフレーム〉を配置されていた


「! ……凄いな、このサイコフレームの性能は!」


「もともとこのグラナダで開発された新素材なの、モビルスーツにも既に実戦配備されているわ! あ、あとあの空間でテストしている機体見える? あの子もサイコフレームを組み込まれている試作品よ」


巨大なモビルアーマーが宇宙空間に浮かんでいる


「あれはニュータイプ用のモビルアーマー〈アルパアジール〉いよいよ出撃するのね」


「ニュータイプ専用機か…」


「さぁ、私たちも訓練を再開するわよ、次はファンネルを試してみましょう」


「遠隔操作か…、どうにも自信が無いな」


〈メテオシュタイン〉を横切って出撃していく〈アルパアジール〉

そしてムサカ型巡洋艦たち

艦隊は月を離れ、小惑星〈ルナツー〉へと向かっていった…



シンシアは横目で彼らを見ながら目を細めた


「ネオ・ジオンの艦隊たち……、彼らがグラナダに立ち寄るということはアナハイム社は連邦軍と取り引きしつつ、敵側の機体の開発も行なっているということ…

 このサイコフレームは確かに素晴らしい反応だけど、きっとグラナダだけに終わらないだろう
 きっとフォン・ブラウン工場の連邦軍正規工場にも流れているハズ…
 〈死の商人〉たちめッ!節操のない仕事をするもんだな!紛争が起これば得をするのは戦争屋だけか…!」


新生ネオ・ジオンは秘密裏に行われている和平交渉を進めている

グラナダで兵器を積んで、わざわざルナツーで武装解除するか…???



シンシアは怪訝な表情で小さくなっていく艦隊たちを見届けていた……






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