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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第37章 メテオシュタイン

(3)

輸送艇シャトルはなんとか衛星軌道にたどり着いた

すぐ近くでは宙域を確保しようと連邦軍と〈キサンドリア軍〉が戦っている

あとはこのまま大気圏への侵入コースに乗るだけだ

しかし…!


警告音!



捕捉されている!



攻撃態勢もとらず、ただ大気圏突入しようと準備しているだけの民間機へなぜ捕捉するのか…!


いや、味方機以外はすべて敵ということなのか


輸送艇シャトルには攻撃武器が装備されていない


狙われればそれまでだ


しかも今ほ大気圏へ突入しようと慎重な状態だ

敵意はまったくない


なぜ無作為にロックオンしたのだろうか


「ど、どうする……ッ!?」


「どうもこうも…!こちらには為す術もない!
 神頼みしかないね!」


コンソールパネルの表示には赤い識別でマークがついている

ロックオンしているのは〈キサンドリア軍〉の機体だ


そのとき一機の〈ジェガン〉が突撃してきた!


片腕がスパークしている


あのとき接近していた〈手負いのジェガン〉だ


ノイズ混じりに通信が入る


「まだこんな宙域に居たのか!ここはオレが引き付ける、逃げこめ!」


ジェガンは敵ガラクスイ〈トラバント〉の前へ立ちはだかり、ビームライフルを連射して牽制した!


〈トラバント〉は右に左に器用に動き回り連射をかわしていく


だがジェガンのパイロットのほうがひとつ上だった

わざと連射して致命傷を与えず、敵機の動きを封じ込める、そして次の逃げ場所を予測して…



ビュュュウウウウッッ!!!!



一筋のビームが真っ直ぐ敵機へ吸い込まれていく


ドォォォッッ!!と敵機は炎に包まれ、身体中から火を噴き出させ、あっという間に誘爆して光りの球体になった


「さぁ、行けッ!」


そのとき


ジェガンの背中が大きく爆発する…!


すでに次の敵機が接近していた!



「ああ…!!」


ナオトはモニター越しに見えた新たなる敵の機体を見て声をあげた


ジェガンを背後から狙い撃ちした敵の機体


それは〈メテオシュタイン〉とまったく同じ機体だったのだ!




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