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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第37章 メテオシュタイン

(5)

輸送艇シャトルが割って入ってきた隙きに〈ジェガン〉は離脱した

ダイアナの〈メテオシュタイン〉は標的を変えてシャトルに襲いかかろうと姿勢を換えたが、先にシャトルのほうが加速して難を逃れた

「ナオト、このまま逃げ切れる?」

「推力は向こうのほうが上だよ、強引だけどこのまま大気圏突入しよう!」

本来ならば突入コースをコンピューター予測させたかったが戦闘中では待っていられない!


背後からは〈メテオシュタイン〉が追ってくる

後方から〈ジェガン〉が援護射撃してくれているが敵は目もくれていない

このままでは突入する前に撃墜されてしまう


ノイズとともにダイアナの声が聞こえてくる


「私も指令がきたときは驚いたよ…、まさかと思ったね、でもこればかりは仕方がない

 悪く思わないでね、楽に仕留めてあげるから!」


「……ダメだ!追いつかれる!」


警告音の間隔が短い!


ドォォン!


輸送艇シャトルの片翼か切り裂かれた!


「ふふ、これで大気圏突入は出来ないでしょ、命までは取らないから宇宙ステーションにでも逃げ込みなさい」


ダイアナの〈メテオシュタイン〉はとどめを刺さず戦闘宙域へ戻っていった


「宇宙ステーションはどっち?進路変更できる?」


「戻ったら積み荷が封印されてしまうだけだ、このまま突入しよう!」


「ムリよ!大気で燃え尽きてしまうわ」


「船は棄てる!ボクらも〈メテオシュタイン〉を出そう!単独で大気圏突入できるんでしょ」


「そこはレクチャーされてないわ!」


「シャトルをシールド替わりにしてギリギリまで降下出来たらいい、ここでステーションに戻ったところで、どうせ次も妨害される、ダイアナがどういう指令を受けたのか知らないけど、メテオシュタインを降下させたくないみたいだ」


「キミって戦闘になったらいつも無茶をするわよね」


ふたりはシャトルの操縦席を離れて後部へ移動した…


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