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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第38章 サイコ・クラングの逆襲

(4)

ニューホンコン宇宙港は市街地の近くの海沿いの人工島に設けられ、海上で〈サイコ・クラング〉は猛威をふるっていた!



「ちぃッ!メガ粒子砲が邪魔してなかなか近付けないッ!散開して同時に攻めるんだッ!」


ソニア・ミラーの〈プラグ〉は直撃こそ受けなかったもののモニターにはいくつかの方向が既にブラックアウトしている!


ソニア機を援護するように2機の〈プラガーシュ〉が左右に離れていき、敵を撹乱する!


アニーカ・カリードとノマ・ナッジール、ふたりの強化人間が〈サイコ・クラング〉に攻撃する!



〈プラガーシュ〉は攻撃を加えるとすぐさま離脱


そこへすかさずアンジェラ・ウェイジズ率いる3機の〈サイコ・フリーゲン〉が強襲する!


〈サイコ・フリーゲン〉は敵の物理的な動きよりも先に敵パイロットの思考を感知して〈先読み〉した攻撃を加えていく!



波状攻撃を何度も掛けては徐々に間合いを詰めていく



アンジェラ・ウェイジズはもともとオーガスタ研究所出身で勘が良かったが、今回の敵からは違和感しか無かった…



「なんなのッ!? アイツからは敵意よりも欲望しか感じられないッ! まるでセックスでもしているかのような感覚がこちらに流れこんで来る!何を意味しているのッ!?」



アンジェラの脳裏に若い男の影がチラつく



「あれは……? ナオト? ……いや、違う」



アンジェラはシンガポールのひとときを思い出してしまう


あの時間はゆったりとして、とても温かみのある有意義なものだった…


でもこの切羽詰まったような感覚は何なんだろう



「こんなのって……、こんないとしさの無いセックスって…! 何が言いたい? 何から追われてるっての?」


アンジェラは脳に伝わってくる不条理な感覚に押しつぶされそうだった…









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