浮遊空母~ぼくの冷たい翼~
第38章 サイコ・クラングの逆襲
(10)
「3人、ふたりは女、ひとりは子どもか…」
クーは振り向くこともなくぼそっと一言つぶやくとそのまま真っ直ぐ街の方へ歩いていった
ノマはますます気持ち悪くなった
ノマ・ナッジールは強化人間だが比較的安定しているタイプで自分自身をコントロール出来ている
あの男にも同じ強化人間のような気配を感じるものの、より初期の強化人間のように自我をコントロール出来ないように思える
自分には何の興味も示さなかったことは助かったとノマは思っていたが、実際はクーが欲望を抑え込んでいたことまではわからないだろう
クー本心では理性を抑えず目の前の女体に欲望のすべてをぶつける破壊衝動に衝き動かされつつも、それよりも失踪した恋人サァシャを想う気持ちがかろうじて勝っていたためノマたちは助かったのだ
本来ならば3人は暴行を受け、強姦されたあと惨殺されていただろう
ノマたちは荒ぶる男がじゅうぶん過ぎ去ったあとようやく〈プラガーシュ〉に乗り込んで帰還した…
港には連邦軍が〈サイコ・クラング〉を取り囲んでいるが鹵獲するところまでは進まず、ノマたちに続きアニーカたちも続いて帰還していった
アキラは〈キュール・シュランク〉でミサコと再会するも、アキラは宇宙へ移民することを拒みソニアの近くに居ることを望んでミサコを困惑させた
ソニアは重症で全身打撲だが医療設備は満床のため自室で安静することになっている
部屋にはノマ、タオ、アキラがソニアの側についていた
「みんな、ごめんね…心配かけちゃって」
「安心して休んで、ソニアの仇はノマがとってくれたからね」
「私も無我夢中だったわ、あのサイスクローを自分が討ち取ったなんて今でも信じられない…
ところでアキラはどうしてあんなところに居たの?」
「お母さんと宇宙港の順番待ちをしていたんだけど、近くにソニアさんが居てるような感覚になったんだよ」
「そう…実は私も戦闘中不思議な光りを見て何だかソニアやファラが傍に居てるような感覚になったわ…、あれ何だったのかしら…」
「こちらもそのとき大変だったのよ、基地の心臓部でもあるミノフスキークラフトが瞬間的に暴走しちゃって…、すぐに正常値に戻ったんだけど今だに原因がわからないの…」
サイコフレームの光は様々な影響を及ぼしていた
「3人、ふたりは女、ひとりは子どもか…」
クーは振り向くこともなくぼそっと一言つぶやくとそのまま真っ直ぐ街の方へ歩いていった
ノマはますます気持ち悪くなった
ノマ・ナッジールは強化人間だが比較的安定しているタイプで自分自身をコントロール出来ている
あの男にも同じ強化人間のような気配を感じるものの、より初期の強化人間のように自我をコントロール出来ないように思える
自分には何の興味も示さなかったことは助かったとノマは思っていたが、実際はクーが欲望を抑え込んでいたことまではわからないだろう
クー本心では理性を抑えず目の前の女体に欲望のすべてをぶつける破壊衝動に衝き動かされつつも、それよりも失踪した恋人サァシャを想う気持ちがかろうじて勝っていたためノマたちは助かったのだ
本来ならば3人は暴行を受け、強姦されたあと惨殺されていただろう
ノマたちは荒ぶる男がじゅうぶん過ぎ去ったあとようやく〈プラガーシュ〉に乗り込んで帰還した…
港には連邦軍が〈サイコ・クラング〉を取り囲んでいるが鹵獲するところまでは進まず、ノマたちに続きアニーカたちも続いて帰還していった
アキラは〈キュール・シュランク〉でミサコと再会するも、アキラは宇宙へ移民することを拒みソニアの近くに居ることを望んでミサコを困惑させた
ソニアは重症で全身打撲だが医療設備は満床のため自室で安静することになっている
部屋にはノマ、タオ、アキラがソニアの側についていた
「みんな、ごめんね…心配かけちゃって」
「安心して休んで、ソニアの仇はノマがとってくれたからね」
「私も無我夢中だったわ、あのサイスクローを自分が討ち取ったなんて今でも信じられない…
ところでアキラはどうしてあんなところに居たの?」
「お母さんと宇宙港の順番待ちをしていたんだけど、近くにソニアさんが居てるような感覚になったんだよ」
「そう…実は私も戦闘中不思議な光りを見て何だかソニアやファラが傍に居てるような感覚になったわ…、あれ何だったのかしら…」
「こちらもそのとき大変だったのよ、基地の心臓部でもあるミノフスキークラフトが瞬間的に暴走しちゃって…、すぐに正常値に戻ったんだけど今だに原因がわからないの…」
サイコフレームの光は様々な影響を及ぼしていた