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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第38章 サイコ・クラングの逆襲

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第5部隊の隊長アンジェラは新メンバーを含めたチームと夕飯をとりながら軽いミーティングを行っていた


アンジェラとドロレスが〈フリーゲンF5〉こと〈サイコフリーゲン〉を駆り、

マリコとロマーナが〈フリーゲンF4〉市街戦特化の可変機に乗り込むスピード重視の部隊だ


〈プラガーシュ〉はシンガポール会議戦線から参加し、インド・カシミール戦線、ネパール戦線と戦力として加わってきたが、戦力だけでなく新素材〈プロトタイプサイコフレーム〉をもたらした事が大きい


プロトタイプサイコフレームは2つの派生機を生み出した

既存機体に組み込んだ〈サイコフリーゲン〉

プラガーシュの簡易量産型〈プラグ〉


派生機2タイプはどちらもサイコミュ兵器をオミットされてしまっていたが、それでも判断の早さ、反応の早さが著しく向上した機体となる


一般兵器が〈サイコ・クラング〉にまったく太刀打ち出来ない状況のなか、浮遊空母〈キュール・シュランク〉のサイコフレーム搭載機部隊が増援に来ていなければニューホンコンはあっという間に陥落していたであろう


「みんなの働きのおかげで強敵を抑えることが出来たね、明日からは防衛戦だからね」


「アンジェラ、新しいフリーゲンはどう?」


「反応はすこぶる早いよ、私向けだと思う
 考える前に次のアクションに移れるのは大きいよ、マリコのほうの可変機はどうなの?」


「こちらは逆に停止しながら行動とれるのが防衛戦向きのように思えるわ、モビルスーツと航空機の美味しいとこ獲りね、ホバリング攻撃も出来るし、宇宙港の奪還には役立ったわ、
 でも〈サイコ・クラング〉には対抗できそうもないかもね」

フリーゲンF4はシュタームの変型機構を既存機体に換装させた試作機で、翼を閉じて後部のプロペラントタンクを脚のように模して運用できる市街戦を想定したタイプだ


4人は明日からの防衛戦の打ち合わせを済ませた


マリコはその時、アンジェラが妙におとなしいなと感じていたがあまり気にはとめていなかった…




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