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（17）

いや、その感情に気付いた者が数名居た


〈プロトタイプ・サイコフレーム〉を搭載した機体のパイロットたちだ


「誰ッ！？」


「何なの？この喪失感…！」


「く、苦しい…、胸が張り裂けそう…！こんなにも激しい意識が戦場に満ちている」


「……ファラ・デハッラ？またあなたなの？
　生き残ってしまった私達を許して…」



アンジェラ、アニーカ・カリード、ドロレス、ノマ・ナッジールはあまりにも高い感受性の為、自身の指先が硬直してしまっている…！



遠くのソニア・ミラーも深い哀しみを受け取ってしまい、看病してくれているアキラの身体を抱き寄せた



「…ソ、ソニアさん？」


「ごめん、ちょっとだけこうさせて…」




サイコフレーム部隊の動きが止まっている頃、ようやく現場に到着した部隊が目の前に現れる


漆黒の曲線ラインの妖しげな機体…


クラング・アースラ！



「見つけたぞ、起動している？クーが戻っているのか？それなら探す手間が省けたと言うもの！
　クー！お前は私のモノだ！逃がさん！」


クラング・アースラは女性的な曲線を活かした妖艶なシルエットで、他の直線的な兵器群とは見るからに異質で、異様だ


まるでアースラ・ダンザグの容姿を模したような肉々しさ


クラング・アースラは警戒しながらサイコ・クラングに近付いた


周りの連邦の機体が何故手出しをしないのか、不思議に思いながらアースラはクーに呼びかけた



「クー？そこに乗っているのかい？一度グールに戻りましょう！アナタも疲れたことでしょう？
　早くアナタの顔が見たいわ」


アースラの呼びかけに反応が無い


サイコフレームが無い機体なので感知出来ないが、何か周りの時間が止まってしまったかのような不思議な感覚だけはアースラにも伝わっていた


「なんなんでしょう？この空気感？何かあったの……？」



その直後、


サイコ・クラングは光りが収束して


敵味方かまわずに３連メガ粒子砲を全周囲に放った！