浮遊空母~ぼくの冷たい翼~
第40章 最終決戦〜①クラング・スクリームの猛攻
(10)
ソニア・ミラーは意識を取り戻した
あまりの激痛と呼吸のしづらさ
上半身は固形包帯でガチガチに固められ、豊かなバストもサラシを巻いたような痛々しい姿となっていた
隣のベッドではいまだ意識不明のアンジェラが眠っている
看護師の横で心配そうな顔を覗かせるタオとアキラの姿もある
「……戦況は? あれから何時間経ったの?
シャトルは出た?」
「…ソニア!いいから今は休みなさい!」
「そうだよ、横になっててよ!母さんのシャトルはまだ無事だよ、延期になってるんだ」
「…そう…、アイツは?アレクは?」
「ソニアが戦っていた敵はノマとアニーカが抑え込んだって聞いているわ、でも前線には戻ってきてないみたい…
だから今はゆっくり休んで」
「そうも言ってられないよ、私の機体はどうなってるの?」
「ソニアの〈プラグ〉は解体されたわ…、使えるパーツは他の機体に回されるってマーカスが言ってたの…」
ソニアはどっかと背中から倒れ込んだ…
「……そっか……、アレクに完敗か…」
「命があっただけでも立派よ! もう無茶な戦いは止めてよ…、私の小さな胸が押し潰されそうだわ…」
「ゴメンね、…でも私は戦士なんだ…、戦場が有ればまた飛ぶよ…、私は飛ぶためにここへ来たんだ…」
「ソニア、以前言ってたようにここを降りて旅に出ましょう! 次は貴女は戻らない気がするのよ…」
「戦いが終わったら旅をしよう、約束するよ」
「ボクも連れて行ってよ!」
「そうだね、…でもまずはお母さんを宇宙に上げないと! ここが正念場なんだ」
「……そんな…」
「マーカスと話しがしたい!私が乗れる機体をまわして欲しい!」
「メカニックの人たちは総動員で働いているわ、私たち機関部のクルーも応援に回されているもの…、今はお願いしても無理よ…」
「…くそ!」
ソニアは自分の無力さに悔し涙を流すのだった…
だが、まだソニアたちは知らされていない
マーカスは優秀なメカニックマンであり何よりパイロット思いの男だ
ソニアの再戦を予知して、プロトタイプ・サイコフレームの貴重な素材を別の機体に転用させようとしているのだ
いまだ運用されていない〈白いシュターム3号機〉
〈サイコ・シュターム〉最後の機体だ
ソニア・ミラーは意識を取り戻した
あまりの激痛と呼吸のしづらさ
上半身は固形包帯でガチガチに固められ、豊かなバストもサラシを巻いたような痛々しい姿となっていた
隣のベッドではいまだ意識不明のアンジェラが眠っている
看護師の横で心配そうな顔を覗かせるタオとアキラの姿もある
「……戦況は? あれから何時間経ったの?
シャトルは出た?」
「…ソニア!いいから今は休みなさい!」
「そうだよ、横になっててよ!母さんのシャトルはまだ無事だよ、延期になってるんだ」
「…そう…、アイツは?アレクは?」
「ソニアが戦っていた敵はノマとアニーカが抑え込んだって聞いているわ、でも前線には戻ってきてないみたい…
だから今はゆっくり休んで」
「そうも言ってられないよ、私の機体はどうなってるの?」
「ソニアの〈プラグ〉は解体されたわ…、使えるパーツは他の機体に回されるってマーカスが言ってたの…」
ソニアはどっかと背中から倒れ込んだ…
「……そっか……、アレクに完敗か…」
「命があっただけでも立派よ! もう無茶な戦いは止めてよ…、私の小さな胸が押し潰されそうだわ…」
「ゴメンね、…でも私は戦士なんだ…、戦場が有ればまた飛ぶよ…、私は飛ぶためにここへ来たんだ…」
「ソニア、以前言ってたようにここを降りて旅に出ましょう! 次は貴女は戻らない気がするのよ…」
「戦いが終わったら旅をしよう、約束するよ」
「ボクも連れて行ってよ!」
「そうだね、…でもまずはお母さんを宇宙に上げないと! ここが正念場なんだ」
「……そんな…」
「マーカスと話しがしたい!私が乗れる機体をまわして欲しい!」
「メカニックの人たちは総動員で働いているわ、私たち機関部のクルーも応援に回されているもの…、今はお願いしても無理よ…」
「…くそ!」
ソニアは自分の無力さに悔し涙を流すのだった…
だが、まだソニアたちは知らされていない
マーカスは優秀なメカニックマンであり何よりパイロット思いの男だ
ソニアの再戦を予知して、プロトタイプ・サイコフレームの貴重な素材を別の機体に転用させようとしているのだ
いまだ運用されていない〈白いシュターム3号機〉
〈サイコ・シュターム〉最後の機体だ