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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第40章 最終決戦〜①クラング・スクリームの猛攻

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フェニックス級中型輸送船〈グリメット城〉


大型輸送船ガルダ級をひとまわりだけ小さくした飛行母船だ


グリメット私設軍の部隊はニューホンコンの宇宙港を制圧することもなく、母船に帰投していた


陣頭指揮をとっていたスティーブ・グリメットは帰ってくるなりプライベートルームへ直行するなり、歳上女性のアリッサの身体を求めてきた


“…また、求めてきてくれる……、若いのに豪性な男だわ…”


アリッサは求めてくれることが心底嬉しかった


性欲の高ぶりを受け止める事は相手次第では苦痛な時もあるが、スティーブ・グリメットは優しい男だ


暴力的な行為ではなく、求めるだけでなく悦びも与えてくれる


“あたたかい…”


吐き出された性液はアリッサの背中に巻き散らかされた


2人はベッドに横たわり、まどろんでいる…



「…よろしかったのですか?キュール・シュランク側だけでなくマグリッド軍にも攻撃されていた様に見受けられましたが…」



「かまわないさ、ニューホンコンはルオ商会の息がかかったエリアだし、我が社とは競合します

 それに……、アリッサさんだから伝えておきますが、私はグリメット社を弟のニックに移譲しようと思っています…、その為には出来るだけ障害となる組織は潰しておきたい」


「……引退をお考えで?その若さで?」


「経営から手を引くだけであって私設軍は残しますよ、私は弟の為に裏方にまわろうと考えているのです、汚れ役をね!
 アモルフィス社としてはマグリッド軍と仲良くして欲しいのかもしれませんが、トランキュリティ側でも競合しているのであれば敵対することもありますからね!
 
 そこでアリッサさんに提案したいのですが、私の会社側にまわりませんか?アモルフィス社を抜けて…」


「残念ながらヘッド・ハンティングされるような権力は持ち合わせておりませんよ?」


「いえ、違います…! 私の側に居てくれませんか?とご提案させて戴いておるわけです

 私の方こそ表舞台からは隠居するわけなので、なんのメリットも無い男になるわけですが、それでも良ければ私のパートナーになって欲しいのです…、公私にわたる関係に」


アリッサにはピンと来ない


「私には現状でも公私にわたるご寵愛を受けさせて戴いておりますよ?」


アリッサは自ら口づけを交わした

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