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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第40章 最終決戦〜①クラング・スクリームの猛攻

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時間は少しさかのぼる……


アレクたち移動基地「マグリッド」の遊撃隊は一時退却し、一部の小隊を残して帰投した


アレクはシャワーを浴びることもなく帰投した部下たちのデータ解析に立ち会っていた


「後から加わってきた謎の部隊…、アイツらは何なんだ…?」


作戦室のオペレーターは眼鏡を拭きながら話しかけてきたアレクには目を向けず、モニターを凝視しながら応える


「うちの〈クラング・スクリーム〉に搭載されている雷粉〈プーダー〉と同じようですね…

 …という事は向こうの機体も〈アモルフィス社〉製品ということでしょう

 企業連合〈トランキュリティ〉軍は1つの軍事組織ではありませんからね、世界中のとある組織、とある企業の部隊なのでしょう

 それにしても、連邦空軍〈アクセプト〉だけにとどまらず、こちらにまで攻撃してくるとは…」


「アモルフィス社か…、アナハイム・エレクトロニクス社同様に“死の商人”のヤツラは節操が無いぜ…、戦場の俺たちは消耗品扱いかよ!」


「残酷な言い方ですが、彼らはデータさえ得られれば良いわけですからね、

 また新たな兵器が開発されていくわけです、
 ひどい話しです」



「ふん、わかっちゃいるけどな…」


アレクは過去の自分の部下たちが撃墜されていく過去を思い返した…



「そのデータで思い出したぜ、〈キュール・シュランク〉のフリーゲン、何だか前より動きが変わってるな…、

 何というか……、動きがスムーズだった!

 よりダイレクトな動き、反射速度が上がっているようだ、アレも新兵器ってヤツか?」


「そうですね…、インドの機体、その量産機、そして一部のフリーゲンにもその兆候が見られます、 マグネット・コーティングに代わる新たな駆動系とでも言いましょうか?」


「また新兵器か…」


「今のうちにこちら側の新兵器も準備しておいたほうが良さそうです」


「こないだ納品されたヤツか…、

 アヤシイ機体だと思うがな!」


「見せてもらいましょうよ、〈サイコフレーム〉の性能とやらを……!!」


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