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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第44章 終幕〜永遠のキンバリー

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まだ若い研究者のひとりでしかなかった彼女の研究は周りに相手にされることもなく、軍のいくつかの検討案件のうちのひとつでしかなかった


だが、データ獲りを名目に廃棄されることもなく何年も継続していく


それは莫大なコストをかけた他のプロジェクトとは異なり、廃棄される理由もなく何年も続いていく


やがてキンバリーが徐々に研究者としての地位を確立していくとともに、その研究は大きく動き出す


最初は孤児から始まり、貧困層への子供へと被験者たちを広げていき、やがて一般層の子どもたちまでも巻き込んでいく


サイド1からはシンシアが発掘され、ベトナムではクー・ヴァン・クーが見つかった


北米で参加したアンジェラ・ウェイジズは能力こそ比類なきものだったが、計画から外れた“肉体的成長”が散見されプロジェクトから外された


研究を宇宙からオーガスタに移したころ、すでに肉体関係にもなっていたキンバリーはアレクの精子と彼女自身の卵子を使った人工受精のキアラを生み出した


幼少のころからキアラの能力は秀でていた


〈エターナル計画〉から派生した別プロジェクトとしてキアラのコピーたちが作られていく


様々な人種からキアラの遺伝子が移されていく


コピーの子どもたちはやがて英国のグリメット氏が後援していくことになる


アレクとの関係はドライなものだった


エターナル計画の被験者の多くは思春期特有の性的欲求が止まらない副作用に悩まされており、彼の近くにいたキンバリーがその欲求の捌け口になることは自然な流れでもあった



サディスティックなアレクとのセックスは激しいものだったが、キンバリーは自分が求められていることに満足していた


他の男性と結婚していた時期もあったが、アレクとの関係は続く



オーガスタ研究所から離れたあともアレクとペアを組み、スポンサーを探しながら密かに研究は続いていく


やがて企業の絡みから〈トランキュリティ軍〉に参加していく


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