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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第10章 ~再会~

「シンシア・・・・〈エターナル計画〉は終わったのよ」


「本当にそう? その子供は? あなたの子供には見えないわ

そう・・・・昔の・・・・小さい頃のアレクのようだわ!!!」



「・・・・」


「また繰り返すつもり? あの忌まわしい計画が終わっても、あなたは次の悪事に手を染めるだけ・・・・あなたの背中にアレクが見えます・・・・今も関与しているのでしょう、この子の姿を見ただけでわかります、計画が頓挫したとしても・・・・あなたとアレクの〈エターナル計画〉はまだ続いているのでしょう!?」


ナオトはシンシアが感情的になっている光景に目を見張った


内容はよくわからないが、二人の過去に暗い何かがあったことくらいはわかる


そのとき!


施設内に警報のサイレンが鳴り響いた!


緊急事態!


本館のほうでは多くの人影が動いているのが窓越しに見えた


「隊長・・・・ここは・・・・」


「離脱します」



「シンシア、裏に私の車が停めて有ります」


「・・・・」



「あなたに理解してもらいたいとまでは言いません、しかし手助けぐらいは出来ます」


「なぜ?」


「この歳になって過去の過ちを償っても・・・・もう私はここから抜け出せないのです

マシンのデータは私が消去します、バックアップも・・・・

マシンそのものは既にパーツごとに分解されています、諦めたほうがいいでしょう

私が出来るのはそれぐらいです」



「ドクター、私はあなたを信用していません

しかし、いまは・・・・助かります」




キンバリーは白衣のポケットから車のキーを放り投げた


「赤い車は1台だけです! 今度会ったら飲み交わしましょう」


シンシアは返事もせずナオトの車椅子を押して、中庭から見えている駐車場に向かった

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