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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第11章 ~帰還~

ナオトはキュールシュランクに戻ってきた

ほとんど昏睡していたので尋問もなく、報告することもほとんど無かった

ハンセン艦長は黙っていたがどこまで信じていたのか


ナオトがキュールシュランクに所属して間もないため、流出する内容も浅いものばかりだろうと憶測したのかもしれない

しかしこちらの軍の規模、機体の情報は遅かれ早かれ推測されるだろう


ナオトへは当分療養生活となった


何回かの艦長との面談で、状況整理がついてきた


現在、地球連邦軍には多くの企業が参入していた


そのほとんどは月のアナハイム・エレクトロニクス社の独占場だが、

狭いニッチを狙うかのように数多くの軍事メーカーが派遣争いをしていた



月の大企業に負けじと地球では小さなメーカーが集まり複合企業体〈トランキュリティ〉を形成していた

彼らは企業であり、組織でもある


いわば民間の私設軍のような組織だ


そのメインスポンサーは軍事メーカー〈アモルフィス〉社だ



〈アモルフィス〉社は航空機のメーカーであったが機動兵器〈モビルスーツ〉の登場により急速にシェアを奪われてしまっていた


失速していくメーカー〈アモルフィス〉、

1人勝ちしていく〈アナハイム〉


だが宇宙空間とは異なり、地上の重力下ではやはり航空機の存在感が高まった


モビルスーツではなく、モビルアーマーが産まれたのもその航続性が求められたからだ


しかしモビルアーマーはコストがかかり過ぎた


また金銭面だけでもなく、編成も組みにくいのが現実だ


その狭いニッチに目をつけた〈アモルフィス〉社はコストダウンした航空機動兵器〈フリューゲル〉シリーズを連邦軍に売り込んだ


連邦軍もモビルスーツの中距離運用の強化パーツの開発や、

戦闘航空機の強化ブースターを生産していたのもあって意外と新型兵器〈フリューゲル〉シリーズの受け良かった

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