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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第11章 ~帰還~

ナオトの部屋をノックする音と同時にシンシアが入ってきた

ハンセン艦長は気にせず、ナオトとの面談を続けた


何度も何度も、カリマンタン島での時系列を問われる


しかし、答えられるのは模擬戦での事故、

目覚めたのは病室、

抜け出してシンシアと合流

ここまでしか報告できない



シンシアは黙って二人の面談を傍で聞いていた


たまにハンセン艦長が「キミからも補足することはあるかね?」と聞かれるが


「いえ、病院で合流できてすぐに警報がなり、その場を脱出しましたので・・・・」


「ヤンは残念だったな」



「はい、すぐれたパイロットでした」



脱出時の警報、それは侵入者ヤンの警戒体制であった

そのままヤンは銃弾を浴びていたのだった


「クラング〈改〉はキャッチ出来なかったのだろう?」


「はい、病院までの捜索で時間をとられました、軍施設内には入れていません

もともとヤンが軍の諜報を、私がナオトの捜索の手順でした」



「ヤンも中にまでは入れていない、移動前に連絡があったからな」


「ではクラングの航行データ、ヴァルキューレのパーツ、ブリッツの情報は握られたかもしれません」



「こちらも移動しているからな、位置を割り出すことは出来んだろう

また相手も空飛ぶ岩石要塞だ、お互い遭遇も出来んよ」


ハンセン艦長はファイルノートをパタンと閉じてナオトの部屋を出ていった


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