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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第11章 ~帰還~

それから数日間、空飛ぶ要塞キュールシュランクは訓練が続いていた


おぼろげながらに敵対してきた企業連合軍トランキュリティのなかでも、明確に対峙することとなったマグリットの情報が続々と入ってくるのだった


キュールシュランクが属する連邦軍の独立部隊アクセプトでは次なる展開を想定して軍備補強すべく新型機の導入が予定されていた


新型機のテストパイロットは二人の隊長、ハンズィとシンシアがあたる予定になっており二人はレクチャーに励む日々を送っていた


ナオトの療養生活はまだ時間がかかりそうで全身がボロボロに疲弊していた



忙しいスケジュールをこなすシンシアだが、夜の合間の時間を作ってはナオトの部屋を訪れていた


「新型機はかなり違うんですか?」


「ん・・・・、そうだな、今回のフリューゲルは今までとは少し違うコンセプトだな

もともとフリューゲルは重力下での航行能力に特化しているのは知っての通りだが、新型機はモビルスーツ寄り・・・・、フレキシブルな動きを想定しているようだ」



ナオトは説明するシンシアの容姿を眺めていた

テキパキと、かつ淡々に話すのは歴戦の勇士というにはあまりにも幼げな少女なのだ


「でもモビルスーツは重力下ではゲタが無いと話しになりません、

 だからフリューゲルが求められているんですよね?」


実際モビルスーツは作戦運用において飛べないのがネックとなっており、ゲタと呼称されるジャバーとの併用が不可欠だ


「そうだな、かの一年戦争で注目されたモビルスーツの支援形態が初期の発想になっている」


G-ユニットのコードネームで呼ばれた支援機で、特にモビルスーツの上半身と航空機を連結させたG-スカイモードはその機動性が評価されていた


確かに人形の上半身と航空機の下半身というシルエットはフリューゲルシリーズの特徴である

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