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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第11章 ~帰還~

数週間後、

未だリハビリ中のナオトだが、シミュレーションでの訓練には復帰てきるようにはなっていた


ただし、航空機動兵器フリューゲルシリーズへの搭乗はまだ時間がかかる状況であった



ちょうど小隊長のシンシアが新型機「シュターム」のシミュレーション訓練とも重なり

ふたりは同じ時間を過ごすことが多くなった



シンシアは新型機の特性を活かし、戦場までの航空訓練と戦場での白兵戦訓練、そして離脱訓練を何度も何度もシミュレーションしていった


浮遊空母キュールシュランクにはコックピットを模した訓練ルームがあり、そこには数台の大型シミュレーターがあった


隣のブースではナオトがシミュレーターマシンを使用している



ナオトの愛機「クラング改」はロストしてしまったので彼は部隊の量産機「フリーゲン」の訓練をしていたのだが、


シンシアからの提案で「ヴァルキューレ」タイプの訓練も並行して行われていた



小隊のパイロットたちはそれぞれに「フリーゲン」への慣れもあり、あまり別機体への乗り換えを好まなかった


それはそうだろう

一瞬の判断ミスでロストしたくないからだ


そのしわ寄せがナオトにまわってきていた


どうせ前機をロストしていたし、「クラング」タイプは部隊の量産機でもなかった



余りの「フリーゲン」があるわけでもないので、おのずとナオトにはシンシアの機体が引き継がれるであろうと想定したわけだ


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