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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第11章 ~帰還~

ナオトは休憩中、シンシアの訓練に立ち会っていた


コンソールルームからはコックピットを連結しており、指示が出せる


コンソールルームの壁一面にある大型ディスプレイに映し出されているのは従来のフリューゲルシリーズとは大きく異なった外観だ


航空機動兵器フリューゲルシリーズは多少の機体差はあれどよく似た外観だ


上半身が人間のようなモビルスーツ

下半身がブースター状の航空機


いわゆるGユニットの「Gスカイ形態」を模している



しかし新型機は大きく外観が異なっていた



ナオトは思わずつぶやいた


「……脚が、生えてる…?」



モニター画面の疑似カメラによる訓練の光景を映し出されているのだが



小さな人型の全身



そして背中から異様に大型のロケットブースターが刺さっているような外観



「……空を飛ぶのに、脚なんて要るかな?」



ナオトには新型の開発コンセプトが理解できなかった


壁の大型ディスプレイにはいくつもの画面に分割されており、疑似空間風景、推力等のグラフメーター、そして疑似コックピット内の様子も映し出されている



赤と白のパイロットスーツ、シンシアの姿があった

「もう一度、離脱時のパターンをやります」


コンソール操作担当がそれに応える


「オーケー!パターンC、状況は敵基地、ランクはBです、スタート!」



疑似空間風景が一瞬で青い空から無機質な軍事基地の風景に切り替わった


数秒の間を置いて四方から銃弾攻撃が迫る


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