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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第2章 ~ハンセン艦長~

「ありがとうございます、ハンセン艦長!」

「…艦長…」ハンセンは女医をジロリと睨みつけた

入り口付近で棚整理をしていた女医はハッとして悪戯っぽい笑顔で舌を出した

「職位を明かしちゃったのは私のミスですけど、艦長も“地上”とか言っちゃってますからっ!」

「ああ、そうか」

ハンセンは女医に告げられ恐縮してしまった
女医は少し気が強い性格のようだ

「こ、ここは衛星基地なのですか?」

「う~ん、まいったな
まぁ4週間隠しきるのはムリだろうな

ナオト候補生、ここからはオフレコだ
察っしろ

…実は

私たちはいま空だ」

「空?」

「我々は空を漂流する天空の城の住人だ」

ナオトは意味がわからず言葉が出ない

「機密任務のひとつはこの〈空の要塞〉の運用だ、まだ試作段階だがな

もちろん試作機もある
我々は実験部隊…極秘の部隊だ!」

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