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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第12章 〜クラング・ハイノート

キュール・シュランク側の「フリューゲルス」は独自運用の「フリーゲン」である


フリーゲンは連邦軍や連合など各地で広く運用されている旧型量産型の「クラング」とは異なる設計思想を持っている


クラングの後継機として開発されたもののまだまだ実験運用のレベルであり、キュール・シュランク部隊のみが運用していた



パラヤ空域での戦闘ではクラングの後継機のひとつとされていた新型機クラング・ハイノートが相手となっていた


おもに「トランキュリティ」軍の主力とされている機体であることからウタパオ国際空港は敵に落ちたものと推測される


クラング・ハイノートは本体を簡素化させ大量生産に向く設計で、豊富なオプションパーツと組み合わせることにより容易にカスタマイズを実現していた


メーカーは「アモルフィス」


北欧を拠点とするメーカーは月面のアナハイム社に取って代わろうと量産に本腰を入れているようだ


キュール・シュランク部隊と敵対するマグリット軍も「アモルフィス」製であり、大きな資金援助を受けている



キュール・シュランク側は連邦軍の正規アジア空軍「アクセプト」に属するものの、企業連合の私設軍を押さえ込めるほどの資金はまわっていない


現に「クラング」を元にした2つの後継機

クラング・ハイノートはアモルフィス軍全体に量産・運用され


フリーゲンは実験部隊のみの運用


規模が大きく異なっていた



研修生のマリコも第1隊に駆り出され、

第2隊のアンジェラもいまだシンシア機「ヴァルキューレ」を使わず、慣れたフリーゲンに搭乗していた


機体が無いナオトは出撃も出来ず、固定砲座にまわり弾幕要員となっていた

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