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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第12章 〜クラング・ハイノート

ナオトは意識の無いマリコの身体を支えながら、半身をシートに覆いかぶさりながらも操作する


機体を近くのカタパルトデッキへ滑り込ませる



メカニックマンのマーカスが通信してきた


「マリコ機……、だよな? 着艦許可とってたか?」


ゆっくりとハッチを開ける


「ん……? ナオト???  あれ?お前、さっきまで砲座に……? マリコも? どうしたんだ?何があった」


ナオトは機体を完全に止めてから、やさしくマリコの小柄な身体を支えて立ち上がる


「マーカスさん!医療スタッフを呼んで!頭は動かさないで!

あと甲板に敵機が墜落してます!たぶんブラックアウトしてると思うけど、念の為何人か集めて!」



「わかった!すぐ呼ぶ!お前はどうする!」


「このまま、出たい…!

代わりに出てもいいかな?」


「お、オレに訊くなよッッ!」


その時、コクピットのモニターがひとつ開いた


小さな画面に第1隊の副長ラルフが映し出された


「ナオト、音声回線で状況は理解している

その機体まだ動けるなら出てくれ、手が足りない!
マーカス!ナオトにオレの予備のマガジン運ばせてくれ!残りがもうわずかなんだ!」



「りょ、了解ッス!すぐ準備します!良かったな、ナオト!まだコイツは翔べるぜ」



「ありがとう、マーカスさん!」



「忙しくなってきたな!誰か予備のマガジン回してくれ!あとこの機体にも新しいバッテリーパックだ!手の空いてるヤツは甲板へ回れ!敵の機体を回収してこい!

あ、ナオト…5分だけ待ってくれ!その間にパイロットスーツに着替えててくれ」


マーカスは慌ただしくカタパルトのアームを操作し始めた

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